2024年の6月に今田美桜の写真集「ラストショット」が7万部に到達したことをオリコンニュースが発表した。
詳しくはこちら↓
https://www.oricon.co.jp/news/2330847/full
2020年に刊行された作品なので、4年にわたるロングヒットということになる。
今回は、そんな今田美桜の「ラストショット」が重版出来している要因に迫っていきたい。
中古相場から分かる根強い人気
皆さんは、ベストセラーになった本が半年後には、ブックオフなどの中古市場で半額以上の価格で販売されている光景を見たことがないだろうか。
ブックオフに頻繁に足を運ぶ方なら知っているかと思うが、メディア化された小説などは、その傾向が顕著にある。
写真集の場合は、どうだろうか?
例えば、2019年に発売されベストセラーになった田中みな実の1st写真集は、ブックオフオンラインで下記のように取引されている。

元の価格から80%値引きされて売られている。
田中みな実の写真集は、2024年5月に累計発行部数が60万5000千部を突破しているので、市場の流れとして当然の結果だと思う。
ただ、やはり最初から売り上げを伸ばす作品というのは、中古市場でこんな扱いを受ける末路が多い。
さらにアイドルの写真集の場合は極端で、初週から一気に売り上げを伸ばすが、1年後には中古での市場価格が落ち始め、2~3年後には、80%以上値引きされて売られているのをよく見る。
一方で今田美桜の「ラストショット」はどうだろうか?

4年たった今でも、中古価格でも2000円台を維持しているのは、驚異的だ。
ただ、先ほどの田中みな実の写真集と比べると発行部数が1/8~1/9くらいなので、中古市場にそこまで流通していないことが大きな要因だろうが、それでも「ラストショット」だって7万部を突破しているのだ。
買う人が多くても、売る人はそこまでいないということなのだろう。
さらにすごいのが、2018年に発売された今田美桜のファースト写真集「生命力」もまだ中古で大幅な値下げがされていないことにある。

この「生命力」も売り上げ1位を獲得した人気作である。
売り切れていることからも、彼女の過去作でさえも未だに根強い人気を誇っていることが分かる。
この人気はどこから来るのだろうか?
次章からは、その秘密を私なりに考察してみたい。
ちょうどよいサイズ感
まずこの写真集を手に取って感じたことは、「持ちやすくて、読みやすい!」ということだった。
多くの写真集は、結構、大きめなのだが、「ラストショット」は、それより1回り小さなサイズになっている。

比較対象は、山下美月の2nd写真集「ヒロイン」で、これは一般的なサイズだ。
「ヒロイン」に比べ、「ラストショット」は、縦のサイズでは、約4㎝くらい小さい。

横は、3㎝ほど小さくなっていた。
なぜ、このサイズにしたのだろうか?
私は、女性の読者を意識した結果だと考えた。
男の私ですら、普通のサイズの写真集を読むときは、その大きさに少し億劫になる。
それに、本屋さんで買うとなったら、その大きさに少し尻込みしてしまう人もいるんじゃないだろうか。
しかし、「ラストショット」(実は「生命力」も同じ大きさ)は、寝転がりながらでも読めるし、本屋さんで買うとなっても、それほど荷物になる気がしない。
しかも、サイズが小さいことで、写真を目に収めやすくなっていて、本当にちょうどいい・・・。
そして、何よりこのサイズ感自体が、とてもかわいくて、それがこの写真集に対する愛着に繋がっている。
だから、「買う人が多くても、売る人はそこまでいない」という現象が起こっているのではないだろうか。
かつての写真集の表紙がハードカバーが主流であったのに、今ではソフトな表紙が大半になったように、いつかは「ラストショット」のようなサイズが大半になるのかもしれない。
でも、いつか写真集でさえも電子で読むのが主流になるんだろうな・・・。
男女どちらもターゲットにできる強み
今田美桜といえば、AOKIのCMを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。
幼い顔立ちに反し、今田美桜は、スーツ姿がとてもよく似合っているなあとつくづく思う。
AOKIが今田美桜をイメージキャラクターに据えたように、「大人の今田美桜」は、女性をターゲットにするには効果的なようだ。
「ラストショット」の中でも、大人っぽい装いに身を包んだ写真がいくつも収められており、実は、私が選ぶベストショットが収められたP115もそんな1枚に当たる。
(権利の関係で、ここに写真は載せられないので、気になった方は買って確認してほしい。)
それに反し、表紙のようなビキニ姿の写真も多く掲載されている。
こういう露出が多い写真は、男性をターゲットにしていることは言うまでもないが、いやらしさは感じられず、むしろ清潔感が漂ってくる。
それが男性の購入を促すとともに、女性の購買意欲を損なわないことに寄与しているのではないだろうか。
「男女どちらもターゲットにできる強み」
「ラストショット」は、今田美桜自身が持っている、そんな強みを十分に引き出した作品だ。
メディアでの活躍との相乗効果
2019年に放送された「花のち晴れ〜花男 Next Season〜」に真矢愛莉役として、出演したときから、多くの視聴者は、ツインテールの今田美桜に「気が強そうだが、小さくてかわいい女の子」という印象を抱いたことかと思う。

「花のち晴れ〜花男 Next Season〜」は今田美桜の存在を世に知らしめる作品となったわけだが、彼女が、他の作品への出演を重ねる中で、「気が強そうだが、小さくてかわいい女の子」という印象は更新されていった。
「大人の今田美桜」を決定づけたのは、きっと「半沢直樹」への出演だっただろうし、AOKIのイメージキャラクターへの就任だったのだろう。

「半沢直樹」への出演も、AOKIのCMが放映されたのも、「ラストショット」が発売前の2020年の始まりだった。
「大人の今田美桜」を求めるファンの声はきっとそこで高まりを見せたのだと思う。
そのニーズに今田美桜は、「ラストショット」で見事に応えきった。
その結果が、初週からの異例の売り上げやロングヒット、中古価格の維持につながっているのだと私は思った。
そして、朝ドラ「あんぱん」でも、きっと新規ファンを増やし続けていることだろう。
4年前に発売された「ラストショット」は彼らの需要も満たすことができる耐久力を持った作品だ。
これからも売り上げを伸ばすことに期待していきたい。
まとめ
私が考えた今田美桜の「ラストショット」がロングヒットしている要因は、下記3点だった。
- ちょうどいいサイズ感
- 男女どちらもターゲットにして成功した
- メディアでの相乗効果
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おまけのポストカードは↓でした。

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