国宝に出ていたことをきっかけに森七奈に興味を持ったので、写真集を買ってみた。
そこまで期待していなかったのだけれど、開いてみて驚いた。
この「ワンダーラスト」こそが、私が求めていた写真集だと気づいた。
何が良かったのかを解説していきたい。
心の底から旅を楽しんでいる
「ワンダーラスト」を全部読み終えて思ったことは、
”旅に行きたい”
であった。
文章はないのに、紀行文のような写真集だった。
読めば、きっと多くの人もそう感じるのではないだろうか。
それは、森七奈が心から旅を楽しんでいる様はもちろんのこと、撮影地の風景の魅力もしっかり写真に残してくれているからだと思う。
一方で水着やラグジュアリー姿の写真は出てこない。
露出も写真集の良さだと思うのだけれど、個人的には、あまり求めていなかった。
かといって、自分がどんな要素を写真集に求めていたのか、その答えは出ていなかった。
だけれど、「ワンダーラスト」に目を通して、これこそが私が求めていた写真集の完成形の一つだと気づけた。
風景と被写体のバランスの良さ
色鮮やかでページをめくっていて楽しいことも「ワンダーラスト」の魅力だ。
しかし、カラフルだからと言って、ごちゃつくことなく、うまく調和がとれている。
若干、写真にぼやけが入ったような感じで、それが目にとても優しい。
これは、カメラの色見(ホワイトバランス)を調整しているのだろうか?
表紙の印象を引き継ぐように、中の写真たちも色がどぎつくなく、爽やかだ。
広大な風景をバックに、森七奈がぽつんと一人たたずむような写真もあるし、被写体を前面に出した写真もある。
その写真たち同士のバランスもすごくいい。
多分だけど、撮影を務めた山田智知が、いろいろ計算して構成しているんだろうと思う。
なんというか、無駄が無い写真集だなと思う。
違和感のない笑顔
この「ワンダーラスト」を読んで気づいたのだが、今まで読んできた写真集の被写体たちは、笑顔がどこかぎこちない。
「ワンダーラスト」の後だと、浜辺美波の「25」にしても、山下美月の「ヒロイン」にしても、笑顔にどこか作為的なものを感じてしまう。


きっと写真の笑顔は、演技の笑顔がほとんどだろう。
だが、「ワンダーラスト」の森七奈は、そう感じさせないのだ・・・。
撮影した山田智知は、映画監督や映像作家もされている方なので、彼にしか引き出せないものを森七奈から引き出したのかもしれない。
もしかしたら森七奈が、撮影中に本当に一人の女優として、旅をしている天真爛漫な女性を演じていたのかもしれない。
私見だけれど、この「ワンダーラスト」は、写真集としてではなく、映画やMVを撮るように、何らかのストーリーラインを意識して撮影したのではないだろうか。
ストーリーラインを念頭に置いたことで、違和感のない笑顔を切り取れたのではないだろうか。
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